設立趣意書
建学の精神
知を愛し、これを究めんとする心
学問の自由なる交わりによる文化の醸成
未知への尽きせぬ探求心
設立趣意書
インターネットの淵源をたずぬれば、それは国家の資金によりて興りながら、これを長じて一箇の文化とならしめたるは、ひとえに大学であった。かつて遠く隔たりし二つの計算機を初めて結ばんとした通信は、わずか二文字を伝えたるのみにて、あえなく途絶えたり。されどこの些細なる挫折より発したる網は、大学という利を求めざる自由なる学問の場にありて幾多の研究者の手により十数年をかけて練り上げられ、今や学術機関相結ぶ幹線として、この国においても着々とその根を張りつつある。
ここに至りて我々の胸に去来するは、ひとつの深き感懐である。すなわち、真に価値ある知は、これを秘して独占するにあらず、分かち合うことによりてこそ、その生命を得るという事実である。ある研究者の探求が、いまだ見ぬ他者の探求と結ばれ、思いもよらぬ地平を拓く。この、知が知を呼び、学問が学問を育てるという営みにこそ、我々は大学という制度の本来あるべき姿を見るのである。
しかるに顧みるに、この新しき知の交わりの前にありてなお、多くの人々はこれを遠きものとして眺めるにとどまり、みずから学び、みずから究めんとする心を持つ機会に乏しい。知を愛し、これを探求せんとする欲求は、本来何人にも等しく宿るものであるべきにもかかわらず、いまだそのための場は狭く、限られたるままである。ここに、我々は座視するに忍びず、大学設立の挙に出ずるものである。
第一に、本学は知そのものを愛づる心をもって学問に相対する者を育てることを、その根本の性格とする。目前の実利のみを追い求むるにあらず、いまだ解かれざる問いに向き合い、これを探求する過程そのものに喜びを見出す人材を育むことこそ、本学のもっとも重んずるところである。
第二に、学問の区分にとらわれず、知と知とが自由に結び合う場を用意することを、本学は期するものである。一つの領域に閉じた知は、いずれ枯渇する。異なる知の交わりよりこそ、新しき問いと新しき答えが生まれるのであり、本学はその交わりの場たらんことを願うものである。
第三に、既存の枠組みに安んずることなく、常に未知なるものへと向かう気概を尊ぶ。かの通信が、わずか二文字の挫折より始まりながら、ついに世界を結ぶ網へと育ったように、大いなる達成は、初めより完成せる姿にて現れるものではないと、我々は信ずるからである。
以上の諸見地より、我々は微力を顧みず、ここに城北情報大学設立の挙に出ずるものであり、我々の真意が各方面に正しく理解せられ、この企画に対して支援と鞭撻を賜らんことを、切に念願する次第である。